「女性に風俗って、本当に必要なの……?」
コロナ不況で失業したアラサー独身の「その」。彼女がたどり着いた再就職先は、まさかの「女性向け風俗店」の裏方スタッフ!? セックスレス、処女の悩み、誰にも言えない孤独……。悩みを抱える女性客と、プロ意識あふれる男性セラピストたちの間で奮闘する、笑えてグッとくるお仕事コミックエッセイ! 単なる業界ルポにとどまらない、自分の心と身体を肯定できる吉岡その先生の『女性に風俗って必要ですか?』の魅力を、ネタバレなしで徹底解説します!
商品情報
- 作品名:女性に風俗って必要ですか?〜アラサー独女の再就職先が女性向け風俗店の裏方だった件〜
- 著者名:吉岡その / ヤチナツ
- レーベル:バンチコミックス
- 出版社:新潮社
- 形式:電子書籍
※各電子書籍ストアで無料試し読みができます。
1. はじめに:知らなかった世界と出会い、自分の価値観が塗り替えられていく時間
本を開いた時、作品鑑賞の本当の面白さは、目に見える結果を得ることそのものではなく、未知の世界に飛び込み、そこに生きる人々の感情に触れながら、自分の中にある常識や価値観がやさしく塗り替えられていく時間にこそあります。
食欲や睡眠欲と同じように、本来なら誰もが持っていて当たり前の感情であるはずの「性欲」。けれど、女性がそれを口にしたり悩んだりすることは、どこか「恥ずかしいこと」「隠すべきこと」として扱われがちです。
そんなタブー視されがちなテーマに、正面から、そしてとびきり明るく誠実に向き合った作品があります。
こんばんは、管理人のふみです。
「ふみの大人の鑑賞ノート」へようこそ。
今日ご紹介するのは、吉岡その先生の話題のコミックエッセイ『女性に風俗って必要ですか?〜アラサー独女の再就職先が女性向け風俗店の裏方だった件〜』です。
webサイト「くらげバンチ」で最多アクセス数を獲得した本作の魅力を、ネタバレなしでたっぷり語っていきます!
2. あらすじ:コロナ不況で失業!再就職先はまさかの「女風」の裏方!?
コロナ不況の煽りを受けて失業し、さらには借金まで抱えて絶体絶命の主人公・その。人生の路頭に迷う彼女が、知人の紹介でなんとか潜り込んだ再就職先……それは、なんと「女性向け風俗店(女風)」の裏方スタッフでした!
性経験も少なく、夜の業界の知識もゼロな彼女を待ち受けていたのは、個性豊かな男性セラピストたちと、様々な事情や悩みを抱えて店を訪れる女性客たち。
「初日から店長に怒られる」「なぜか男性セラピストの講習相手を務めることになる」といった怒涛のトラブルに直面しながらも、持ち前の明るさと真面目さで、セラピストたちと協力しながら女性たちの心と身体の悩みに寄り添っていくことになり――!?
3. 魅力その1:利用する側と提供する側、どちらの視点も描く「女性のリアルな悩み」
本作を読む前に「女性向け風俗」という存在に対して、漠然としたイメージしか持っていなかった方も多いのではないでしょうか。けれど、本作ページをめくると、その印象はガラリと変わります。
お店を利用する女性客たちが抱える背景は、本当に様々です。
「夫やパートナーとのセックスレスに悩んでいる」「処女を卒業したいけれど怖い」「ただ誰かに優しく抱きしめられたい、認められたい」――。そこにあるのは、決して単なる好奇心や性的な欲求だけではありません。誰にも言えない孤独や傷、自己肯定感の低さを抱えた女性たちが、必死で自分自身を取り戻そうとする切実な想いです。
利用する女性客の心理はもちろん、迎える側の男性セラピストたちの視点も丁寧に描かれているのが本作の凄さ。甘い考えや下心だけではとても務まらない、プロ意識と接客技術の高さに驚かされます。「女性の心と身体を癒やす」という目的に対してどこまでも誠実な現場の熱量に、気づけば深く共感し、胸がグッと熱くなってしまいます。
4. 魅力その2:主人公の明るい真面目さと、可愛らしいイラストがもたらす読みやすさ
夜の業界やセンシティブな悩みを扱った作品でありながら、決して暗くジメジメした空気にならないのは、主人公である「その」ちゃんのキャラクターと、かわいらしいイラストのおかげです。
一歩間違えれば友情が壊れてしまいそうな破天荒な再就職先でありながら、持ち前の明るさと真面目さで懸命に仕事と向き合う主人公の姿は、読んでいるこちらまで前向きなパワーをもらえます。初日の失敗や無理難題な研修にも体当たりで挑んでいく様子はコメディとしても秀逸で、思わずクスッと笑ってしまう場面も盛りだくさんです。
重くなりすぎないポップなタッチとコミカルな演出、そしてふとした瞬間に差し込まれる温かな感情の交流。その絶妙なバランス感によって、誰もがすんなりと作品の世界へ引き込まれ、最後まで心地よく読み進めることができます。
5. 魅力その3:恥ずかしがらなくていい。「三大欲求」と自分自身を肯定できる温かさ
食欲や睡眠欲は「しっかり取らなきゃだめだよ」と素直に言えるのに、性欲となると急に罪悪感を覚えたり、自分の欲望を恥じたりしてしまう……。
ですが、三大欲求と呼ばれるからには、どれも人間が生きていく上で切っても切り離せない大切な感情です。自分の身体の悩みに向き合うこと、誰かの温もりを求めることは、決して恥ずかしいことでも不潔なことでもありません。
悩み抜いた末にお店を訪れた女性たちが、セラピストの手によって心を解きほぐされ、笑顔を取り戻していく step を見届けていくうちに、読者自身の心の中にあった「自分を責める気持ち」もふっと軽くなっていくのを感じます。
女性はもちろんのこと、男性が読んでも「女性の心と身体のリアル」を知るきっかけになり、新しい発見や優しさを学べる、まさに性別を問わずすべての人におすすめしたい一冊です。
6. おわりに:自分の心と身体を、もっと愛おしく思えるために
吉岡その先生の『女性に風俗って必要ですか?〜アラサー独女の再就職先が女性向け風俗店の裏方だった件〜』。
この漫画は、単なる業界の裏側暴露ものや、刺激的なレポート漫画ではありません。悩み、傷つきながらも一生懸命に生きるすべての人々に「あなたはあなたでいいんだよ」とやさしく寄り添ってくれる、温かな人間讃歌です。
・「女性向け風俗」という世界や、その裏側に興味がある方
・人に言えない悩みや孤独を抱え、自分を肯定できずにいる方
・笑って泣けて、最後には心がふんわり温かくなるお仕事エッセイを読みたい方へ
知らなかった世界を知り、自分の心と身体をもっと愛おしく思える特別な時間を、あなたもぜひ体験してみてください。
こちらは、2巻で完結なのですが、続編などもあります。そちらの紹介もさせていただこうと思っています。
今夜も、あなたに最高の鑑賞時間が訪れますように。
管理人、ふみでした。
※各電子書籍ストアで無料試し読みができます。
【全2巻】完結
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